Now in Development
KOF14を振り返って、システムをどう改善すれば良くなるかという個人の分析と妄想の記事、要するに雑記です。
KOF14を初期バージョンからプレイしている身として、アップデートの度に望むことはもっと対人戦が面白くなること、でした。楽しみ方は人それぞれですが、やはり格闘ゲームは対人がメインだと自分は考えており、e-sportsという観点からもこれは至極真っ当な意見になるかと思います。
現在のバージョンは3.1。今作におけるバランス調整の難しさの理由に小足の強さが挙げられ、これは強キャラの条件の一つでもあります。
小足
小足の強さは
1、4F
2、低姿勢
3、触れさせて有利
4、リーチの長さ
で大別され、上位キャラはこの要素を複数併せ持ちます。
4F低姿勢小足は攻撃の起点にもなり、めくりを含むジャンプに対しての防御兼反撃にもなりこのゲームの最強技と言っても過言ではありません。
クイック発動
小足が強いと何故強いのかというと、それはもちろん14のシステムである通常技クイック発動があるからです。
全ての地上通常技、特殊技ヒット(ガード)時に発動することができ、コンボに暴れ潰し、崩しにとその用途は様々。解放すればすぐさま大幅な有利Fを稼ぐことができ、ヒットすれば簡単に高いダメージを奪うことができます。
(ここで言う「簡単」とはコンボの難しさではなく手段を指します)
小足を数発ガードした後に動こうとしたところに発動されてコンボをもらう、これは14プレイヤーなら誰しも通る道です。また有利Fを稼げる小足を持つキャラは移動も早い傾向にあり、単純なダッシュと小足の繰り返しが強く、ガード側は割り込もうとしてもこのクイック発動があるため身動きが取れない状況に陥りがちです。
加えて、小足を食らえないということは中段や投げなどの対の選択肢も活きてくることになり、この中段もまたクイック発動できるので期待値がやたらと高くなっています。
コンボのコスパが良いにも関わらず、当てるための手段である見えないめくりや前転表裏、ダッシュ小足がお手軽且つ豊富なのも問題視されています。
これらの行動が1ゲージで何度でも発動できてしまうことが問題視されているわけですが、あるプレイヤーは「1ゲージで発動出来るからこそ、どのキャラにも等しくチャンスが生まれる。」と言っており、これは自分も非常に納得しました。
共通したインフレシステムはキャラ差を埋める手段でもあり、弱キャラでも火力さえ出せれば勝つことはできます。実際KOF13ではドライブ解放で大ダメージコンボを与える爽快感があり、どのキャラにもチャンスと面白さがありました。
ゲージ多すぎ
ただ、等しいチャンスということは同時に通常技の性能によるキャラ差は埋まらないという裏付けにもなってしまいます。では詰まるところ、原因はゲージの溜まりやすさにあるのではないでしょうか。
14では攻撃側も受けた側も大体のダメージ量に比例してゲージが溜まります。
先に触ることが非常に重要で、お互い触れたい、触れさせたくないという想いから、端~端の膠着状態が生まれやすいこのゲームでは必殺技の空振りによるゲージ溜めの時間もかなり多くなります。
そしてキャラが倒されると1ゲージが追加される仕様であるため、ゲージが枯渇して常に足りない、という状況は多くありません。
そうなればゲージを吐くことに躊躇がなくなり、触れるための最適解→小足 が強いキャラが順当に強くなるという堂々巡りになるわけです。
改善点は?
上記のものを踏まえ14らしさを残しつつ改善するならばどうすれば良かったのか?
自分なりの考えとしては
・中堅移行時の+1ゲージを無くす
最大ゲージが増えるのは伝統としても、無償で1ゲージ貰えるのは大将だけで良かったと思います。もしくはリーダーシステムのようなものを取り入れ、設定したキャラはどこに置いても開始時1ゲージ持った状態でスタートなど。
98のようにキャラ相性で引き継ぐのはシミュレーション要素がやや強いですが、チーム単位のこだわりが見えて面白いかもしれません。
・発動を1キャラ1回まで
2ゲージ発動にするのが一番手っ取り早いのですが、ゲージを稼げないキャラの我慢の時間が長くなったりキャラ格差も広がる可能性がありますし、14らしさを残すならば1ゲージ発動は必須。
制限があればいつ出すかの読み合いにもなり、仮に暴れ潰しで食らったとしてもそこは対戦の妙として楽しめるのではないでしょうか。
補足をすると、クイック発動の一番の利点は行動をキャンセルできること。暴れ潰しなどに失敗してドライブゲージが余った場合、さっさとEX技を空打ちするシーンをよく見ます。EX技が抑止力になれば良かったのですが、警戒して防御側が冷静に対処してしまうので、残しておくメリットがあまりありません。
かと言って何度も生解放して強いEX技連発も対戦として健全ではない気がします。
98UMのように行動をキャンセルできるだけに留めておけばコンボ火力も上がり過ぎずに丁度良かったのかもしれません。
超必殺技の価値
クイック発動に制限をかけたい理由としてこれがあります。
例えば相手の行動のスカりに対して遠D解放とやると「あぁ…」という感じですが、遠D八稚女や生超必の差し返しとなると「おぉ!」となると思うんですよ。こういうちょっとした技術とか判断力には、やる側も見る側もダメージ以上の価値があるはずなんです。
しかし1ゲージのコスパが良すぎると、どうしても超必の差し返しをすることに躊躇が生まれてしまいます。リバサでのブッパをするにしても暗転が長すぎるため、簡単に暗転返しされてしまうこともこれに拍車をかけています。
また、超必の強制ダウンに関しても強制ダウンを奪えるから超必で締めるのではなく、正規のコンボルートが超必締めだから強制ダウンが付いてきた、という場面が多く、ここにもキャラの優劣がついていると感じます。
代表的なものはシュンエイのEXスペクター。中央で5割以上奪ったのちに見辛い表裏択をかけてワンモアチャンス。強いキャラがとことん強いモノを持っています。彼は必殺技で締めても強制ダウンですけどね。
・総評 ゲージが1種類
もはや14ではなくなってしまいますが…結局のところ一番の失敗は早々にシステムにケチがついてしまったことだと思います。極端な話、小足の強さは調整できますがシステムをいじるとなるとそれは14のアイデンティティを失い兼ねませんから。
11や13ではゲージのシステムそのものがキャラの可能性を広げていると同時に制限をしていたと言えます。が、14はキャラパワーを増長させるだけになっています。
スパキャンも追加なしでダメージが伸びるだけなので打ち得。補正がかかって逆にダメージ量が減るなどの措置を取っても良かったかと。
他ゲーの話で、スト5の場合はCAの価値が高く何度も連発できるものではないので、追加ゲージなしでキャンセル可能は納得できます。
と言った面で考えるとサムスピのゲージシステムはよくできているのではないでしょうか。シンプルながら怒り爆発からの一閃は制圧力も高い分制約も強いですし、キャラ相性を一時的に無くすことができます。ゲームコンセプトが違うので一概には言えませんが。
新システムを考案してユーザーを楽しませたり、開発技術とコストの葛藤もあるかとは思いますが、過去作で好評だった部分をベースにアレンジするだけでも良かったんじゃないかとも思います。
3人チーム、ゲージチャージ、複数ゲージ、MAX発動、ストライカー、クイック発動、ドライブキャンセル、自由交替制、リーダーシステム、ドライブゲージ、EX技…
何が好評だったのか、何が面白かったのか
KOF15はどんなゲームになるか、期待して待ちます。